南部鉄器の道具は、適切なお手入れをすれば100年以上使い続けることができると言われています。写真は、約20年前に【ふらかつ】が渋谷で一人暮らしを始めたときに手に入れた南部鉄瓶です。大好きなパン屋 に通い詰めたい。ただそれだけで神山町を住む街に選び、引っ越しのタイミングで購入しました。
やかんと言うと、鉄瓶に至るまでに柳宗理(ステンレス)、野田放浪(ホウロウ)など…
デザインの良いものはひととおり試してきました。
そして、ふらかつは大の職人好きですから、機能性と美しさを兼ね備えたこの鉄瓶に自然とたどり着いたのです。
使えば使うほど光沢が増し、まろやかなお湯を沸かせる「一生もの」の道具。
現代のキッチンに馴染む、シンプルでモダンなデザイン。
慣らし期間
何よりもまず「おろしかた」が重要です。
鉄瓶の内部を安定させ、錆びにくくするための非常に重要なプロセスがあります。使いはじめに赤く錆びた斑点が出ることがあるのですが、沸かしたお湯が濁っていなければそのまま使い続けて問題ないとのこと。この錆が内部に安定した膜を作り、次第に錆びにくい「良い鉄瓶」へと育っていきます。内部は絶対に手で触れてはいけません。
ここは難なくクリア。第一関門を突破して、何十年もかけて『我が子を育てる』ような意気込みで鉄瓶生活をスタートさせました。
こともあろうに空焚き
それなのに・・・
ある晩、使用後に乾かそうとガスの火にかけているうちにそのことを忘れてしまいました。
ハッとしてキッチンに駆けつけたものの、時すでに遅し。黒いおしりが真っ赤っか!
それでも大丈夫なのだから、職人さんの手仕事は本当に凄いです。
工房に相談して、黒漆を塗り直してもらいました。
それに、このことでかえって愛着が増した気がします。
鉄製の蓋が割れた
ほどなくして、ふらかつは外国に住むことになりました。
移住先は「水道のカルキ(石灰分)」の大きな問題が存在するフランス。でも、この鉄瓶は迷うことなく連れて行きました。
でも、あちらの水は日本とは全く別物。浄水器を通してみてもとにかく硬い。
日本文化の鉄瓶と、フランスのお水。どこかしっくりこない。
ふらかつはだんだんと鉄瓶で湯を沸かす意味を失っていったわけですが、キッチンで姿を眺めては癒される日々を送っていました。
そしてある日、蓋を床に落としてしまいました。
1mの高さから、キッチンのタイルの上に!頑丈な鉄製ですが、ものの見事に割れました。
でも、大丈夫だったんです。一時帰国の際に工房に相談して、蓋だけを買い直すことができました。
永く愛用したいからメンテナンス
フランス暮らしを経て、日本に戻ったときメンテナンスをお願いしました。
『水の合わない環境でお疲れ様でした。』の意味も込めて。
それから改めて朝の白湯習慣を。
日本の水道水を鉄瓶で沸かすと、こんなにも甘くて口当たりがまろやかだったっけ。
軟水だから、鉄瓶のケアに必要な湯垢がつきやすいのも理にかなっています。
この白い膜が錆びを防ぎ、さらにお湯を美味しくする役割を果たすそうです。
こうした日々の使用と手入れによって、使い込むほどに表面の漆が馴染み、独特の自然な艶や光沢が生まれ、深い色合いと味わいが増してきました。
職人さんの手仕事のおかげで、私の鉄瓶は本当に美しく育っています。気づけばもう20年の付き合い。
一生もの
ただ、年を重ねるにつれて、最近はこの鉄瓶の重さをはっきりと感じるようになりました。
さんざんこだわって自分なりの美学を貫いてきたものの、自分を取り巻く環境は一定ではなく、常に変動します。ふらかつは、それに対してしなやかに対応できる自分でありたいと思っています。
だから意外と、BALMUDAの黒い電気ケトルが我が家のキッチンに並ぶ日は近いかも?笑
それもまた、愛すべき私の暮らしです。
この結末は想像していませんでしたが、大切に育てた「マイ鉄瓶」を親から子、子から孫へ引き継ぐ。これを機にそんなことを考え始めました。もちろん、私の子が要らないと言うのなら他の誰かへ。
「一生もの」の道具が次の世代へ受け継がれる文化は、
単に物を渡すだけでなく、技術、思い、そしてものづくりの心を継承するすばらしい営み。
自分もやっていこうかなあ。
(娘がうんと言えば)手始めに、私の成人式にユーミンの実家の呉服店で誂えてもらった振袖から。50代ふらかつ、そのようなことを少しずつ考え始めています。
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