ポトフ《前編》1日目 【ふらかつ】

ポトフ1 ポトフのスープ ポトフのブイヨン 【ふらかつ】 冬の食卓

Pot-au-feu

ポ・ト・フ

ポトフ(Pot-au-feu)は、塊肉と野菜を水で煮込んだフランス家庭料理の定番です。
フランス語で“pot”は鍋、“feu”は火、の意味で、「火にかけた鍋」のこと。

寒い冬に、フランス人なら誰もが思い浮かべるのがこのポトフ。
日本の冬のおでんに当たるでしょうか。

煮上がったスープもお肉も、いろいろと活用できるのがポトフの魅力でもあります。翌日のアレンジにもってこいのオーブン料理を次の記事でご紹介しますので、せっかくだから一度にたくさん作ってみてくださいね。
スープは製氷機で冷凍しておけば、ブイヨンとして小出しに使えて便利です。

牛肉はコトコトと長くじっくり煮込むため、高級な部位でなくて良いのも人気の理由ですね。

食材選びについて

“本格” ポトフに向いている牛肉は、

骨付きすね肉「le gite(ジット)」や
骨付き外もも「 le jarret(ジャレ)」、
骨付きオックステール(牛尾)「queue de bœuf(クー・ドゥ・ブフ)」

などのコラーゲン豊富なゼラチン質の部位です。

どれかまたはミックスして1kgくらい買ってきます。
行きつけのお肉屋さんなら、ポトフを煮るためだと言うと “髄が入っている骨” も一本つけてくれます。私は、これらを紐でまとめるところまでを肉職人さんにお任せしていました。

※ 因みに、このひもは、「la ficelle de boucher(フィセル・ド・ブーシェ=肉屋の紐)」と呼ばれています。

日本でポトフを作るなら、
【ふらかつ】はスーパーで手に入りやすい食材、例えば

・牛すね肉(骨なし)
・シャウエッセンのようなソーセージ
・ブロックベーコン
・鶏手羽元(骨付きウィングスティック)

での代用をおすすめします。

本格ポトフの材料

ポトフの材料(2日分):

牛肉のゼラチン質が多い部位  1kg

ブーケガル二
(ローリエ 1枚/タイム 少々/パセリ 少々/セロリの葉 1/2本分)

丁子を一つ刺した玉ねぎ 1個
塩・こしょう  適量

人参   3~4本
かぶ   3~4個
長ねぎ  1本
大根   1/4本

粗塩     適量
フレンチ・マスタード  適量
ピクルス(あればコルニション)   適量

作り方

1. 牛肉に塩・こしょうを多めにすり込んでおく。
 (髄が出ないように、骨の切り口に塩をこすりつけておく。)

2. 野菜も肉も切らずに煮込みますが、
  長ねぎと大根だけは、鍋の大きさに合わせて切ります。

3. 鍋に5リットルほど水を入れて沸騰させ、
  肉と骨を入れたら中火で煮込みます。

4. 沸騰してきたら丁寧にアクを取る。

5. ブーケガルニ、丁子を刺した玉ねぎ1個、塩・胡椒を加え、
  ふたをして弱火で約1時間煮る。

6. ふたをしたまま、一度冷ます。

7. 人参とかぶは丸のまま、長ねぎと大根を大きく切って、野菜を鍋の中に加えます。
 (水分が減っていたら、ひたひたになるくらいまで足してください。)

8. またふたをして、もう1時間ほど柔らかく煮たら、出来上がりです。

本場フランスの食べ方

フランス人は、スープと具材を別々に順を追って楽しむので、最初はスープだけを出します。
(そもそも、肉と野菜の具材はすべて、ブイヨンを取ったあとの“だしがら”なんです!)

まず、澄んだスープをピュアに楽しみます。
それから・・・

味変で、生のにんにくをこすりつけたトーストを浮かべて、上からコンテやグリュイエールを削り入れて食べるのが【ふらかつ】は大好きです。

次に、お肉や野菜を味わいます。
粗塩を添えてお皿に盛り付け、お好みでマスタードの辛味やピクルスの酸味をプラスします。

ポトフ2 ポトフのスープ ポトフのブイヨン  【ふらかつ】

骨の髄は、パンに乗せて粗塩を振り、レモン汁を垂らすと美味!

ポトフ3 ポトフのスープ ポトフのブイヨン   【ふらかつ】

ポトフに合わせるワイン

【ふらかつ】なら、軽やかなワインが良いですね。
例えば、白なら、ロワールのシュナン・ブラン。やさしい酸がスープの旨みを引き立ててくれます。赤なら、ガメやピノ・ノワール。主張しすぎず、スープにそっと寄り添ってくれます。

ここまででおわかりいただけたように、ポトフはフランス料理ですが、キッチンに誰かがこもりっきりでがんばって作るものではありません。
鍋を火にかけたら、ワイン片手に皆でおしゃべりしながらゆったりと待つ。しだいに家の中に湯気と香りが広がり、食卓が優雅に整っていく・・・
【ふらかつ】は、このポトフをフランス人の生活美学を体現する家庭料理の代表格だと思っています。

ポトフはあえてたくさん作る

フランスにおいて、女性が働くことは昔から当たり前。フランスにはそれを支える社会システムがあるんです。
女性が家庭に入りきらず働き続け、女性がキッチンに長時間こもらず、仕事もプライベートも充実させる。これを前提とした工夫や仕掛けがフランス人一人ひとりの人生の中に散りばめられている。【ふらかつ】がフランス人に囲まれて暮らす中で、そんな風に感じる場面がたくさんありました。
その一つが、焼くだけ煮るだけで簡単なのにとっても美味しくて、なんかおしゃれな(ここがポイント!)家庭料理ばかり。そして、日曜日にたくさん作って平日にリメイクする知恵。

続いて、ポトフのこのお肉を使ったリメイク料理2品ご紹介します。
アシ・パルマンティエ
ブフ・ミロトン

コメント